矯正治療の世界の宿命

2週間ぶりのブログです。

この間、何回、伊丹空港を出たり入ったりしたか。。。。

忙しかったけれど、いろいろな方との出会いがあって、

いろいろと考える機会を得ました。

特に、医療ジャーナリストの方とのディスカッション。

「矯正の世界を外から眺めると、いろいろと不可解なことが多い。」というお話でしたが、

矯正の世界の中にいる人間として、そのお話を伺うと、とても納得できました。

矯正学の分野は、治療法が、個人の経験や考え方に偏る傾向があり、

客観的な判断が難しい領域なのです。

そこへ、材料会社のビジネスなどが絡んでくると、

本当にややこしく、ひとつ間違えると危険な分野になってくるのです。

「その治療法は、本当に正しいのか!」という、結構シビアな問題です。

さらに、そういうエビデンスに欠けたものであることに気付くことが難しく、

特に、日本固有のまじめさが災いして、

正しいと信じて疑わないキャリアのある先生は、その深みにはまっていくし、

若い先生や経験の浅い先生は、どれがよいのか迷ったり、

ある考え方に洗脳されたり、ビジネスに惑わされたり。。。

私たち矯正歯科医は、もっと考え方を整備して、エビデンスを積んで、

どこまでが、コンセンサスの得られた事象で、

どこからは、その先生個人の考え方なのかを、

クリアにする必要があるとひしひしと感じました。

でも、そのエビデンスを積むのが難しいのも矯正界の宿命という感もあります。

そういう状況下で気をつけないといけないのは、患者さん方で、

「矯正治療って素晴らしいんだけど、そういう側面もあるらしい。」

ということを、理解していただく必要がある、と思いました。

そう言われても、どうしていいかわからない。と言われてしまいそうですが、

「複数の先生のお話を、よく伺って、納得して開始する。」

それしかないかなぁ。。

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