日: 2010年2月3日

  • 矯正治療の違いの大きさ

    初診患者さまやメールでのお問い合わせで、最近つくづく感じたこと。

    矯正治療は、ドクター間の違いが大きすぎるということ。

    この世の中で、どんな矯正治療が、どのくらいおこなわれているのだろう???と

    ふと、思いをはせてしまいました。

    インフルエンザの治療をする際には、ある一定の検査の方法があって、

    処方の薬も決まっていて、ドクターによる差はそれほどないような気がします。

    でも、矯正治療は、信じられないほどの差があるのです。

    最近は新製品の開発ラッシュで、業者とそれに関係する先生は、

    講習会で、その装置の治験例を通じて、その装置のすばらしさをお話します。

    それを受講した歯科医師は、それを信じて、その装置を使えば、

    自分でも簡単に治せるような気がしてくるのでしょう。

    しかたのないことかもしれません。

    でも、矯正治療はそんなものではないのです。

    知識、経験に基づいた診査、診断能力。

    手先の器用さ、細部へのこだわりが物を言う技量。

    患者さんにご理解いただき、協力を引き出す資質。などなど。。。

    難しい症例に遭遇しても、それが難しいということもわからないまま、

    治療を開始している例もあるのです。

    私も若い頃はそうだったとは思うのですが、私は大学の医局で、

    多くの症例を診させていただき、先輩の意見を聞き、論文を読んで育ってきました。

    でも、開業医さんたちが、ちょっと講習会へ行って矯正治療を始める場合には、

    それを規制するものは何もないので、やむをえないのでしょう。

    だからこそ、矯正治療を開始する際には、患者さま御自身が、

    よく説明を聞いて、納得いかなければセカンドオピニオンも聞いて、

    華やかなインターネットの広告や、誘いの言葉に惑わされないように、

    慎重に開始することが重要なのだ。と改めて思いました。