月: 2010年7月

  • 話題の0”ゼロ”を読みました

    昨日、東京での委員会に出席した際の機内で、

    遅ればせながら、話題になっていた0”ゼロ”を読みました。

    (電車通勤のない私は、なかなか読書の時間が取れないのです。。。。)

    残った部分も読みたくて、やるべき雑用はあったのですが、

    ベッドの中で読みきりました。

    最後の方は、飛行機の中でなくて、よかった。。。

    以前、鹿児島の知覧の戦争記念館で見たことが、

    本当にあったこととして、ダブルで襲い掛かってきて

    涙と鼻づまりで、呼吸困難になってしまったのです。

    今朝は、目が、うだ腫れてます。。。。

    以前から、日本人は愛国心をもっと持つべきと思っていました。

    海外に出ると、日本の良いところ悪いところがよく見えます。

    愛国心というと、軍国主義だとか右翼だとか言われそうになるのですが、

    戦争を否定するからこそ、愛国心なのです。

    そして、簡単には表現できないのですが、

    人の命や家族や生き方や幸せや、そんなこんなを考えさせられました。

    戦争で亡くなった方の死を無駄にしてはいけない。

    それを強く思いました。

    そして、現在にも認められる、大勢の意見に流されやすいという日本人の欠点を、

    自分の頭で考えて自分の意見で行動するということの苦手な日本人の弱点を、

    既製の価値観に流されやすい欠点を、

    作者は厳しくついていました。

    日本人は、世界一、几帳面で、誠実で、まじめで、努力家ではないかと常々感じています。

    良いところがいっぱいあるのに、欠点によって、台無しにしたくありません。

    それから、英会話のレベルの低さと、もともとコミュニケーション下手なところでも、

    損をしていると思います。

    新渡戸稲造のように、堂々と世界とわたりあえる日本人になりたいと、

    思っていたことを思い出しましたhappy02.gif

    ちょっぴりでも近づけるように、がんばろうっとhappy01.gif

  • 地域に根ざしたい

    一昨日帰宅したら、NHKで、旭山動物園と北九州の動物園の園長先生どうしの

    温かい友情や、動物園にかける情熱をテーマにしたお話が放映されていました。

    終わりの少ししか見れなかったのですが、

    北九州の動物園が閉鎖になりかけたとき、

    地元の人たちが26t万人の署名を集めて、再開を実現させたそうです。

    その時、3代にわたって動物園に通っている家族が、インタビューで、

    「動物園は、自分が小さいときから自然にあって、子どもたちも自然につれてくるものと思っていた。

    私たちは、動物園と一緒に育ってきて、また、同じように子どもを育てている。」

    と話しておられました。

    ふと、そんな診療所になりたいな。って、思いました。

    イノウエ矯正歯科には、以前、うちで矯正を受けてくださった方が、

    ご自分の子どもさんを連れてきてくださるようになりました。

    夏休み、子どもたちといっしょに、フッ素の実験会もしますが、

    お友達、ご兄弟で多くの方が参加してくださいます。

    そんなこんなで、横へ縦へ、繋がっていって、この地域の人たちは、

    ”小さい頃からフロスやフッ素を使って歯を守り、

    姿勢や呼吸や食べ方に気をつけて、正しい歯並びに発育できるように気をつける。”

    そんな風土が出来上がるぐらいになれたら、どんなにいいだろう。。。

    って、夢のようなお話を思い描いていました。

    でも、ちょっとでもいいから、実現するようにがんばりたいなと思っていますhappy01.gif

  • 姿勢

    最近、日本人の姿勢が危ないと思っています。

    昔は、まだ、食事の際に正座したり、叱られるときは、正座をさせられたり、

    正座をする度に、姿勢を正されたような気がしますが、

    今は、ほとんど正座をすることもありません。

    学校でも、あまり注意をされることもなく、

    授業中に頬杖をついたり、もたれかかったりしている子どもたちも多いそうです。

    運動会などでも、姿勢や整列を厳しく言われることがないようです。

    姿勢は、呼吸や嚥下の基本になります。

    他の全身の発育にも大きな影響を与えると思われます。

    大人も子どもも、いっしょに、姿勢を見直していきたいものです。

  • 矯正治療の世界の宿命

    2週間ぶりのブログです。

    この間、何回、伊丹空港を出たり入ったりしたか。。。。

    忙しかったけれど、いろいろな方との出会いがあって、

    いろいろと考える機会を得ました。

    特に、医療ジャーナリストの方とのディスカッション。

    「矯正の世界を外から眺めると、いろいろと不可解なことが多い。」というお話でしたが、

    矯正の世界の中にいる人間として、そのお話を伺うと、とても納得できました。

    矯正学の分野は、治療法が、個人の経験や考え方に偏る傾向があり、

    客観的な判断が難しい領域なのです。

    そこへ、材料会社のビジネスなどが絡んでくると、

    本当にややこしく、ひとつ間違えると危険な分野になってくるのです。

    「その治療法は、本当に正しいのか!」という、結構シビアな問題です。

    さらに、そういうエビデンスに欠けたものであることに気付くことが難しく、

    特に、日本固有のまじめさが災いして、

    正しいと信じて疑わないキャリアのある先生は、その深みにはまっていくし、

    若い先生や経験の浅い先生は、どれがよいのか迷ったり、

    ある考え方に洗脳されたり、ビジネスに惑わされたり。。。

    私たち矯正歯科医は、もっと考え方を整備して、エビデンスを積んで、

    どこまでが、コンセンサスの得られた事象で、

    どこからは、その先生個人の考え方なのかを、

    クリアにする必要があるとひしひしと感じました。

    でも、そのエビデンスを積むのが難しいのも矯正界の宿命という感もあります。

    そういう状況下で気をつけないといけないのは、患者さん方で、

    「矯正治療って素晴らしいんだけど、そういう側面もあるらしい。」

    ということを、理解していただく必要がある、と思いました。

    そう言われても、どうしていいかわからない。と言われてしまいそうですが、

    「複数の先生のお話を、よく伺って、納得して開始する。」

    それしかないかなぁ。。

  • 保健主事・養護教諭夏期研修会での講演

    保健主事・養護教諭夏期研修会で、私は、顎関節症と不正咬合について、お話してきました。

    顎関節症と不正咬合も、健診に加えられて久しいのですが、軌道にのっているとは言いがたいのが現状です。

    不正咬合の問題点を発見してあげることは、その子が大きくなって困らないために、とても大切なことなのです。

    小さいときに、対応してあげられたら、外科的矯正治療(骨切りを併用して矯正治療をする方法)を回避できただろうに、顎関節症にならなくて済んだのに、という例がたくさんあるのです。

    ですから、もっとわかりやすいシステムを作ることが望まれます。

    さらに、受け皿になる矯正歯科のドクター側も、ガイドラインを作って対応する必要があります。

    矯正治療には保健が適応されないので、御父兄の方に、そのあたりを御理解いただくことも、重要です。

    難しそうだけど、少しずつ私なりの意見を出していってみようと思っています。

  • 東京医科歯科の矯正の若手OBの会

    東京医科歯科大学矯正学講座の若手OBの先生の勉強会に呼ばれて、出かけてきました。

    そこでも、一期治療の期間について、MFTの有効性について、統一見解の確立に向けて、エビデンスを積み重ねるしかないよね。と話し合っていました。

    若いとき、矯正治療って、もっと確立されたものだと思っていましたが、

    そして、次々と新しい材料が開発されて、すごく進歩していると思っていましたが、

    実は、足元が固まってないということを、最近、特に思うようになりました。

    問題意識を持っている若手の先生方といっしょに、

    ひとつずつ問題を解決させていかないといけないんだなぁ。。って、改めて思いました。

  • 私の考える本物の矯正治療(子ども編)

    先日おみえになった新患の方は、千葉県のK市から引っ越してきた方でしたnote.gif

    5年生のおねえちゃんと3年生の弟くんの矯正治療の継続を希望して来院されました。

    お母さまが取り出したケースの中からは、型にはまったような、拡大床(顎を拡げる装置)が、上下二人分で、全部で4個。。。。。icon_eek.gif

    お二人の症例は、全く異なるのに、全くおんなじ装置???

    唖然としてその診療所を選択された理由をお母さんに伺ってみると、なんと、「口コミで、評判が良かったから。。。。周りのお友達はみんな通院してました。。。。」

    またもや唖然!!!

    この装置で、何をどこまで、どう治療するつもりだったのか。。。

    きっと、その先生は、その方法しか御存知なくて、その方法が正しいと思っていて、、、、

    でも、子どもの矯正治療って、そんなものじゃない。と私は思っています。

    問題点を把握して、不正の原因を検討し、それぞれの症状に応じた装置を選択して、悪習癖が原因ならば、それに対応して。。。

    「ゴールは、もうこれで大人になっても大丈夫というところだ」と私は考えているので、イノウエ矯正歯科では高校3年生。

    どこかのHPで12歳っていうのを見たことがありますが、12歳なんて、これからまだまだ変化する時期、そこをゴールにすると、その後、問題が生じて、矯正治療をしたのに。。。という結果になる可能性が高いのです。

    残念ながら、これらは、私がそう考えているだけであって、「これが本物の矯正治療で、本物でないと罰則があります。」といった、はっきりしたガイドラインがないのが、矯正治療の世界の難しいところ。

    だから、スタート前に、患者さんご自身で、よーーく勉強して、よーーく考えることが必要です。

    矯正治療をスタートする際には、その全体像をしっかり理解して、開始されることをお勧めします。

    お母さまは、私のこんな話に、とても納得してくださいましたhappy01.gif