月: 2012年7月

  • 矯正治療のスタートの前に

    イノウエ矯正歯科には、他院で治療してうまくいかなかった方が、

    よく御相談にこられます。

    昨日も、上の小臼歯を2本抜歯して治療したにもかかわらず、

    出っ歯と開咬(前歯がかんでいない状態)が、かなり残っていて、

    再治療をするには手術しかない。という方の相談をしました。

    歯を抜いて治療した後、再治療しようとすると、

    手術を選択せざるをえない場合が多くなります。

    本当に気の毒に思いますweep.gif

    抜歯は矯正治療の選択肢として、重要な手段ですが、

    きちんとした診断、治療方針が確立されていないと、

    たいへんなことになります。

    いつも言うように、矯正は”装置や手段が先にありき”ではないのです。

    不正咬合の実態を把握して、原因を追究した後、目標を設定し、

    その後、目標を達成するために、装置・手段を選択するのです。

    私も若い頃には、それほど、意識できていなかったのですが、

    そのステップをしっかり理解してから治療をスタートすることが、

    とても重要だと思っていますhappy01.gif

  • 土曜日に初診相談に来院されたM君。

    高校2年生で、お母さんといっしょに来られましたnote.gif

    お母さんが、「小学生の頃、私は矯正に連れて行きたがったが、

    本人が嫌だと言っていたので、そのままになって、ようやく

    自分から行きたいと言い出したので、受診しました。」

    とおっしゃってました。

    残念なことに、Mくんは、顔や顎の非対称が著しく、

    手術が望ましい状態になっておられましたthink.gif

    子どもの頃なら、なんとかしてあげられたかもしれません。

    そうなんです。

    もちろん、お子さんの気持ち尊重することも大切ですが、

    一度、相談にだけでもお連れいただければよかったのにと

    残念に思いました。

    放置してもなんとかなる症例と、

    絶対に放置してはいけない症例があるのです。

    お子さんも理由がわかれば、初めは嫌だと思っていても、

    積極的に取り組めると思います。

    適切な治療が適切な時期に受けられるよう、

    気になったら、相談にだけでもお連れいただきたいと、

    しみじみ思いました。