月: 2013年8月

  • 口唇口蓋裂患者さんの治療の勉強会

    先週の木曜日、Japan Cleftの勉強会が東京で開かれましたので、参加してきました。

    いろんな大学から老若男女が集い、よりよい治療を提供するにはどうすればよいかを、意見交換する会でした。

    少しずつ方法が違って、それぞれにメリットデメリットがあって、ひとつには決まりきっていない治療法なのですが、みんな、よりよい治療ゴールを獲得するためにどうすればよいかを常に考え、常に学び、常に行動している先生方の集まりなので、とても居心地がいい勉強会でした。

    私自身も、私とは違った考えややり方の先生方と意見交換することができ、いろいろと勉強になりました。

    日本は医療界は、ついつい縦割りになりがちなのですが、大学間の垣根を越えて、よりよい医療体制を作るためにみんなが集うということは、口唇口蓋裂患者さんの治療にかぎらず、とても重要なことだと、あらためて思いました。

  • 口唇口蓋裂の患者さんの治療のゴールイン

    イノウエ矯正歯科では、開業直後には口唇口蓋裂の患者さんは少なかったのですが、ある時期から、たくさん来てくださるようになりました。

    その時期の初めの世代の患者さんたちが、矯正治療のゴールインを迎えています。

    口唇口蓋裂の患者さんは、小さいころから手術を何度か受ける必要があったり、

    治療がいろいろとたいへんだったりなので、喜びもひとしおです。

    先日、Y君の治療が終了し、Happy Smile Boardに笑顔デビューしてくれましたscissors.gif

    とっても素敵な感動的な笑顔でしたhappy01.gif

    Y君おめでとうsign03.gif

    これからも健康な歯とステキな笑顔を大切にしていってくださいねheart04.gif

     

     

     

  • 容易な症例はひとつもない

    「容易な症例は、ひとつもない。」

    「There is no simple case in the world」って、おっしゃってたかなぁ???

    これは、アメリカの有名な矯正歯科医の一人Alexandar先生の言葉です。

    開業したばかりの頃に出た講習会で聞きました。

    母校の大阪大学矯正科で10年間矯正治療に従事してきて、それなりの自信を持っていた若い私には、

    「ふーーん。それほど改めて言う言葉かしら?」

    ぐらいにしか聞こえてきませんでした。

    でも、あれから20年以上が経過し、特に、他院で治療した方からセカンドオピニオンを求められる機会が多くなってきて、

    「なるほど。」

    と、Alexander先生の言葉がしっかり理解できるようになりました。

    矯正は、本当に専門性が高く、奥が深いのです。

    長い年月、それも毎日、膨大な患者さんに携わらせていただいて初めてわかることなのです。

    経験の浅い先生には、その症例の難しさを、治療開始前に察知することができないのです。

    そういう私も、医局にに残って2,3年の頃、鼻高々の気分だったような記憶があります。

    しばらく前に、「東京では、安易に矯正を初めて、患者さんも歯科医師も泣いている例がいっぱいある。」

    というのを聞いたことがありました。

    今、それが、大阪に押し寄せてきている感がします。

    一般歯科医の先生方も、患者さんも

    「容易な症例は、ひとつもない」

    というAlexsander先生の言葉を、かみしめていただきたいと思う今日この頃です。