月: 2017年3月

  • 禁煙推進=ゆっくり救命

    私は池田市禁煙推進ネットワークで長年活動を続けてきています。

    今年は、5月31日の世界禁煙デーにちなんで、5月27日に石橋禁煙デーを企画しました。happy01.gif

    皆さん、是非、石橋に足を運んでくださいね。

    最近は、高級レストランでは禁煙が当たり前になりましたが、まだまだ居酒屋さんでは喫煙が当たり前、冷たい生ビールに美味しい枝豆とぶりかまと、、、happy01.gifと思っているところへタバコの煙が、、、”やっぱりダメ、早々に帰ろう”happy02.gifってなっちゃうのですが、5月27日の禁煙協力店では、きれいな空気の居酒屋さんで、思う存分美味しいビールとお料理が楽しめるんですnote.gif

    先日、海外から学会に参加してくださっている先生とお食事をしているときに、

    「日本料理は本当に美味しいし、大好きなんだけど、食事中に煙たいのが残念だわ。なぜなの?」

    と聞かれました。

    なぜか?

    確かに、今回、禁煙協力店を募集していても、「すみません。ご協力したいのはやまやまなのですが、私たちもその方がうれしいのですが、、」と言って断れられてしまうこともしばしばでした。みんなとても素敵な大将とおかみさんなのに、、

    いろいろと考えるうちに、日本で禁煙推進が進まないのは、日本人の3つの特徴も原因してるかも?と思うようになりました。(他に、もっと政治経済的なこともありますが、、、、)

    1:日本人は、嫌なことを嫌と言わない。

    私達は小さい時から、「もし他人に嫌なことをされても、すぐに怒ってはいけません。よく考えてから、相手を傷付けないように話しなさい。」と習ってきたように思います。

    きっと、狭い島国で、みんな仲良く暮らしていくための大切な教えなのだと思います。

    2:日本人は我慢強い

    私は転校生だったせいか、異文化にとても興味があり、いろいろな国の人たちと接してきました。そうすると、自ずと客観的に日本人をみつめることもできるようになります。日本人ほどまじめで我慢強い国民はいないのではないかと思うほど、まじめで我慢強いと思うのです。

    それは素晴らしいことなのですが、、、

    ”食事中にタバコの煙で不快な思いをしても、その人を悪く思ってはいけない。自分が我慢をすればいい。”と思ってしまうところがあるように思うのです。

    3:日本人は”判官びいき”

    日本人は、弱者にやさしい、義経を応援したくなる気持ちが強いような気がします。

    それも素晴らしいことだと思うのですが、、、

    今、”禁煙が正しい”ということは、”ひるむことのない正義”となっていて、喫煙者は肩身の狭い思いをさせられる状況になってきています。

    そうすると、喫煙者の人たちを「禁煙、禁煙」と言って追い詰めることは、かわいそうではないか!追い詰める人は鬼ではないか!という雰囲気があるような気もします。

    私も禁煙防止教育をする際には、「喫煙者は悪くない、タバコが悪い、社会が悪いのです。」と子どもたちに伝えることから始めます。

    禁煙推進ネットワークは、「正論を掲げて、弱い喫煙者をいじめる頼朝」みたいなイメージもあるのかも?なんて、思いすぎだとは思うのですが、、、、

    そこで、ようやくタイトルになるのですが、

    禁煙推進=救命

    というイメージをもっと自分でも意識しよう!みんなにも意識してもらおう!と思ったのです。

    ”禁煙推進は、救える命を救うこと”なのです。

    タバコを吸っている人の半数は、タバコが原因で死亡します。寝たきりにもなりやすくなります。

    タバコを吸わなければ、死ななかったかもしれない、寝たきりにならなかったかもしれない人が、おられるのですweep.gif

    だから、禁煙推進=救命なのです!

    友達に”救急救命医”がいますが、深夜でも救急車で運び込まれた人の命を救う大切なお仕事をしています。

    と同じように、禁煙推進することは、”ゆっくり救命”になるのです。

    ”自分が我慢すればいい”とか、”弱い者いじめはかわいそう”ではなく、”私はゆっくり救命医”というイメージで、禁煙推進の意識を持ちましょう。

    みんなで、”ゆっくり救命医”になりましょうsign03.gif

    最後まで、読んでくださった方、ありがとうございます!heart04.gif

    大阪のおばちゃんの長話は疲れますね!

    大切な石橋禁煙デーちらしです!みんなで禁煙のお店を応援しましょうnotes.gif

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  • 安心して矯正治療を受けられる環境を早く

    先日、政府が認める日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)制度のない国が、アジアの主だった国では韓国と日本だけだったのが、韓国も昨年制度が確立し、制度の無い国は日本だけになってしまったということをお伝えしました。

    海外では、日本人の歯並びが世界一悪いと言われているそうです。

    (ちなみに、「英会話の能力が最低だ」と、バングラデシュから来ていた留学生に言われたことがありますが、、もう一つ言えば、禁煙に対する意識もアジアで最低かもしれません。。。。)

    確かに、韓国、中国、タイ、シンガポール、マレーシアなど、この10年ほどの間に、矯正治療がどんどん普及しているようです。

    最近、イノウエ矯正歯科には、30代40代の女性が、

    「ずっと前から矯正治療したかったけれど、どこに行けばいいのかわからなかった。久しぶりに会った友達の歯並びが良くなっているのを見て、教えてもらった。」

    と言われて来院される方が続いたので、安心して矯正治療を受けられる環境が整っていないことがいけないんだとつくづく思いました。

    一般の方の、矯正治療への関心はどんどん高まってきているのすが、制度がしっかりしていないためもあって、安易な矯正治療、まがいものの矯正治療が流行っていて、「ちゃんと治らない。返金してもらえない。」というトラブルも増え、消費者庁への問い合わせが増えているそうです。

    ますます、患者さんの矯正治療に対する不信感が募っていくのではないかと心配していますweep.gif

    早く確かな専門医制度が確立して、正しい本物の矯正治療が安心して受けられる環境が日本にも整うことを、心から願っていますhappy01.gif

    制度が整わない間は、しっかりアンテナを張り巡らして、”本物の矯正治療”が受けられる診療所を探して受診するように気を付けていただきたいと思っています。

     

     

  • 「難しい、通常の方法では出来ない」という見極め

    先日、「他院で5年ほど装置を続けて治療を続けてもらっているが、いっこうに治らない」という方が、おみえになりましたweep.gif

    初診相談で拝見させていただいて、私は、

    「お気の毒ですが、このままの方針では治りません。外科的矯正治療(骨を切るという手術を併用する矯正治療)がベストで、どうしても手術が嫌なら歯をもう1本抜歯すれば、なんとかできますが、ゴールの高さがかなり落ちます。」

    とお答えしました。

    その方は、結局、外科的矯正治療を選択されましたが、治療が進み始めてから、その方が、

    「イノウエ矯正歯科に行きつくまでに、いろいろ回って意見を聞いてみた。歯を抜けば治るという先生もいれば、抜かないでも治るという先生もおられた。でも、違うな。と思った。」

    とおっしゃるのです。

    「矯正治療の特殊性は、ここにある。」と最近つくづく思います。

    大切なのは、見極める能力なのです。

    私にも、若い頃には「できる」と思って開始して、治療が長期にわたってしまい、申し訳ないと思った患者さんがおられました。

    申し訳ない症例を少しでも減らせるよう、私たち専門医は、勉強し経験を積んでいきます。

    「難しい」「通常の方法ではできない」を見抜けるのが、日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)なのだと思っています。

    いつもお話しするように、インフルエンザのように決まった検査キットがあって、、タミフルかイナベルという決まりきったお薬があるのとは異なります。

    矯正治療は、本当に奥が深い治療なのです。そして、見た目をよくするだけのものではなく、一生健康で暮らすための大切な歯を守る医療であることをよく認識して、治療をスタートしてほしいと思っていますnote.gif