前回、日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)の話をしました。
今日は、矯正専門開業医のお話をします。
なんや。おんなじやんかぁ。。
でも、ちょっと違うんです
一般歯科の診療室で、矯正専門の先生が雇われていたり、アルバイトで勤務されたりするのとは違いがあるのです。
矯正専門開業医は、診療所そのものが矯正治療だけのために用意されています。
広い待合室、小さなお子さんにも安心感を与える内装や飾りつけ、ハブラシコーナー、相談専用の個室などなど、一般歯科とは違った設備や雰囲気があります。
そして、もっと違うのが、スタッフです。
矯正専門にトレーニングされた衛生士は、ドクターの補助以外に、カリエスリスクコントロール、舌のトレーニング、コーチングスキルなど、矯正治療独特の技術や知識を備えています
矯正治療はドクター一人だけの力では、良い結果を出すことは難しいのです。
診療所の環境が整ってこそ、ドクターの力もじゅうにぶんに発揮でき、ゴールの高い治療結果が出せると私は考えています
そして、イノウエ矯正歯科の有能なスタッフに感謝しています
タグ: 相談
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矯正専門開業医
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歯を削ることができない歯医者に、よろしかったらご相談ください
以前のブログで、最近、患者さんのお母さんからの相談が増えています。というお話をしました。
先日も、また一人、相談を受けました。みなさん、歯並び以外のことでも、
「歯医者さんに行くと削られそうでこわい。どうなっているのか不安。行かないといけないのはわかっているけれど、どこへ行ったらいいのかわからない。」
ということをおっしゃって、相談してくださいます。
私は、矯正専門なので、治療はできませんが、どうなっているかを説明することはできますし、簡単な歯周病の管理ならできます。治療が必要なら、御紹介することもできます。
そういった対応で、お母さん方はとても安心されるようです
安心してかかれるかかりつけの歯医者さんがおられるといいですね。
もし、おられない場合は、私でもよかったら相談してください。(私は歯を削って治療することができないので、みなさん、削られる心配がないので、安心なのでしょうね。)
歯を削れない歯医者として、お母さん方のお役に立てれば幸いです
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歯の悩み(舌・唇の機能の問題)
お母様方の歯の悩みのことを書いた翌日、今度は、インタビュー関係でご一緒した方が、セカンドオピニオンを求めて、ご来院になりました
一度矯正治療したけれども、前歯のガタガタが戻ってきてしまって、もう一度装置をつけて始めたけれど、治療後また戻るだろうから、4本連結のラミネートベニアというもので、下の前歯を固定すると言われたとのことです
大学病院にも行って相談してみたけれども、あまり芳しいお答えはなかったとのことでした。
でも、私には、そうなった原因がすぐにわかりました
その方は、嚥下(飲み込み)の際に、下唇を強く吸い込まないと飲み込めないのです。
そのために、嚥下の度に、下の前歯が下唇に押されて、内側に倒れこんでしまうのです。
私も開業した頃は、そのことに気付いていなくて、同じような経験をしました
でも、今は、そういった舌や唇の悪い機能が、歯並びを悪くする。だから、歯並びを矯正装置で治すだけでなく、その悪い機能も治さないと本当に正しい歯並びは手に入れられないということを確信し、その重要性を今、もっと広めようと活動し始めたところなのです
私の活動の必要性を再確認させてくださいました
ありがとうございました
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歯の悩み
ときどき、患者さんのお母様から相談を受けることがあります
「先生は、矯正治療だけなんですよねぇ。。。」
「何か?」
「ずっと悩んでいるんですけど、矯正でなくても、一度診て頂くことはできますか?」
とお話されるのです。
歯医者さんがこわくて、抜いた後を10年間も放置してきた方、ずっと、どうしていいかわからなくて、体調が悪くなるとあちこち痛くなるのを我慢し続けてきた方とか。。。
「実は、私も治療した歯がいっぱいなんです。怪しげな部分もあるんです!」
ってお話すると、みんな驚かれて、そして安心されます。
私も幼い頃はとてもカリエスリスクが高くて、虫歯がいっぱいでした。
私が歯医者になってなかったら、今頃、悩み多いお母さん方と同じだったかもしれない。。。
私は治療はしてあげられないけど、悩み相談にはのってあげられるから、もし、歯に悩みがあれば、気軽に相談してくださいね -
大人の矯正治療
土曜日のもう一人の初診患者さまは、30代の女性の方
いつも御紹介くださる一般歯科の女医さんからの紹介でした。
奥歯が傾いていて、虫歯が治療できないというのです。
お口の中を拝見すると、ゆがんだ歯にかぶせ物や詰め物がいっぱい
治療がさぞたいへんだったろうなぁ。。って感じです。
きっと前の一般歯科の先生は、矯正治療は全く頭になくて、ゆがんだ歯でもしかたがないから、とがんばって治療されていたのでしょう
ゆがんた歯のまま治療すると、どうしても限界があります。
若い間はなんとかなるかもしれませんが、40代50代になると、歯周組織も弱ってくるので、問題が次第に大きくなってきます
少々治療した歯が多くても大丈夫です。悪い歯を抜歯して、きれいにすることもあります。
きれいな歯並びにしてから、かぶせ物や詰め物をやりかえていただくと、その後は本当に安心して、華麗なる老後を迎えていただけます
年をとると、若い頃には気付かなかった”食事を楽しむことの有難さ”を、より一層感じるようになります。
大人の方も、あきらめないで、是非、御相談ください
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口唇口蓋裂の患者さま
昨日の初診相談には、口唇口蓋裂の7歳の患者さまが来てくださいました
イノウエ矯正歯科には、阪大の口腔外科や顎口腔機能治療部からの紹介患者さまがほとんどなのですが、ときどき、遠いところから来てくださいます。
これからの治療の流れを御説明させていただいたところ、安心してくださったようです
私が大学の医局10年めの頃は、担当患者さんのほとんどが、口唇口蓋裂の患者さんでした。
開業してからは、人数はぐんと減りましたが、ずっと小さい頃から、大きくなるまで、診てさしあげることができるので、ホント、ナガーーイお友達です
途中、スピーチの問題や、骨移植の手術など、大学の先生と連携をとりながら進めていきます。
口唇口蓋裂の患者さんとその御両親が、安心して治療をうけていただけるようなシステムやその情報が、もっともっと拡がるといいなぁと思いました
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ムーシールド
昨日の初診患者さんは、受け口(反対咬合)の年長さんの女の子
近くの歯医者さんで矯正治療を始めようとしていたが、難しい症例なので、大学病院へ行くように言われたとのこと。
でも、あまり遠くまでは行きたくないということで、お友達の紹介でイノウエ矯正歯科に来て下さいました。
同じような難しい反対咬合の患者さんを、小さい頃から高校生になるまでどのように治療していったかをご説明して、治療内容を御理解いただきました。
相談の最後に、「ムーシールドってどんな装置なのですか?」という質問をいただきましたので、ここで、ご説明した内容を御紹介しますね。
ムーシールドは、小児歯科の先生が、乳歯の反対咬合の治療のために開発された装置です。
とてもよく考案された良い装置だと思います。
ただ、乳歯の反対咬合は、装置を入れなくても自然治癒する症例から、逆に、かなり大掛かりな装置でも治すのが難しい症例まで、さまざまなのですが、それをムーシールドですべて対応しようとすると無理があります。
その判断を間違わなければ良いのですが、危険なのは、ムーシールドでの治療を長引かせすぎて、治療のタイミングを逸してしまうことです。
上顎の骨に対する装置の効果は、小さい頃の方が良いことが報告されています。
劣成長のである上顎の骨そのものアプローチして、小さい間に、上顎の骨の成長を促すことが、肝心なのです。
ムーシールドはお子さんの負担が比較的少ない点は良いのですが、上顎の劣成長に積極的に対応できる装置ではないので、そういう対応が必要な症例には適応できないのです。
というお話をさせていただきました。御参考までに。
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元気の出るあたたかい診療室
今日の新患相談の方は、関東方面からの転医のNさんでした
遠方だったり、事情があったりで、よく御検討いただくようお話したのですが、Nさんは、
”ここに来るまで、とても不安だったのですが、診療室がとても温かい雰囲気で、安心できました。”って言ってくださいました
年末恒例のアンケートにも、”ここに来ると元気をもらえます。”って書いてくださった方がいて、何よりもうれしく思いました
いつも、スタッフといっしょに目指している診療室像が、実現できてきているのかな?って、とてもうれしく思いました
これからもスタッフといっしょに、がんばっていきますので、よろしくお願いします
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矯正治療は美容整形じゃない!
昨日の初診相談は、地方出身の優秀な理科系女子大生さん。舌癖を伴う出っ歯さんで、益々出っ歯がひどくなることが心配されました
相談の最後に、お願いがあるのですが。。。とのこと、何かと思ったら、
「父が、美容整形みたいな矯正治療はするなと言っている。矯正治療が健康のために必要であることを、書いていただけますか?」
もちろんOKしました
私は、いつも、
”矯正治療は全身の健康のため、笑顔はがんばったことへのご褒美”と、お話しています。
エステの向こうじゃなくて、がん治療の手前と説明しています。
一生、全身の健康を支えてくれるしっかりとした正しい歯並びを、矯正治療で獲得していくのです。
機能的に正しい歯並びは、必ず美しい笑顔を保証してくれますよ
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キャリア
土曜日の新患の方が、「イノウエ矯正歯科は、先生のキャリアが19年で、認定医・指導医・専門医なので、相談に来ました。」とおっしゃっていました
実は、開業して19年、矯正歯科医として29年なんです
ながっ
でも、私の尊敬する女性歯科医師の先生は現在73歳
子どもの虫歯が氾濫している頃、予防に孤軍奮闘され、今は、あえてチタンアレルギーに対する警鐘を鳴らしておられます
臨床って、キャリアを積んで初めて見えてくるもの、積まないと見えないものってあるんです
それも、一生懸命みつめていると見えてくるもの!があるんです
それらを大切にして、これからもがんばっていきたいな。って思いました